教育者の方へ

てんびん方程式 — 先生・塾講師・保護者の方へ

学校・塾・家庭で、無料でご自由にお使いください。申請も連絡も不要です。

この教材をつくった理由

算数や数学が苦手になるきっかけは、多くの場合「意味が分からないまま、手続きだけを覚えさせられたとき」に訪れます。方程式はその代表です。中学1年生の1学期に x が登場した瞬間、それまで算数が得意だった生徒でも手が止まることがあります。

けれど、方程式そのものは難しい考え方ではありません。「天びんの両がわに同じことをしても、つりあいは変わらない」——これだけです。移項も、両辺を割ることも、すべてここから出てきます。

この教材では、x を一度も使いません。重さの分からない生きものが天びんに乗っていて、両がわから同じものを取り除いていくと、最後にその生きものだけが残る。それが「方程式を解く」という行為の中身です。文字が出てきて身構えてしまう前に、まず手で確かめてほしいと考えました。

中学で x を習ったとき、「あのとき天びんでやっていたことだ」と思い出せる状態をつくること。それがこの教材の目標です。文字式に苦手意識のある生徒ほど、先に触れてもらえたらと思います。

対応単元

小学6年生
文字と式(□や文字を使った式、逆算)
中学1年生
一次方程式、等式の性質
所要時間
1問あたり1〜2分/練習8問で約10分/タイムアタック5問で約3分
必要なもの
ブラウザのみ。インストール・登録・アカウントは不要

設計のねらい

移項を手続きとして覚えさせるのではなく、等式の性質そのものを操作として体験させることをねらいとしています。

ヒントとして提示される操作は、すべて数学的に正しい操作です。両辺に同じことをするので、どれを選んでも必ずつりあいが保たれます。ただし解に近づくとは限りません。「やってよいかどうか」ではなく「どれが得か」を考えさせる設計です。

表記は小学校の算数に合わせてあります。かけ算は 🤖 × 2 と書き、記号を省略しません。画面上の漢字は小学3年生までの配当漢字にとどめています。

3つのモード

タイムアタック

5問または10問。問題は毎回その場でつくられるため、何度でも取り組めます。得点は「問題の難易度 × 解く速さ × ヒントを使わなかったこと」で決まります。競争が動機づけになる児童・生徒に向いています。

練習

固定12問。難易度が7段階で上がります。

Lv1
両辺から同じ重さを取る
Lv2
両辺を同じ数でわる
Lv3
その組み合わせ
Lv4
両辺に未知数がある
Lv5
答えが2桁になる(分銅が2種類以上出る)
Lv6
2桁 × 係数あり
Lv7
2桁 × 両辺に未知数

おもりは 10kg・5kg・1kg の3種類の分銅で表しています。26kgなら10+10+5+1と置かれるので、位取りや両替の見方もあわせて働きます。詰まったときだけ「ヒント」を開くと操作の候補が出ます。正解すると、自分がおこなった操作が式の列として表示されます。

応用

2種類あります。

天びんが2つ — 未知数が2つの問題です。2つの天びんを見くらべると、片方だけが1つ多く、おもりの差がそのまま答えになります。連立方程式の加減法を、式ではなく目で見て理解させるねらいです(中学2年の内容ですが、和差算として小学生でも解けます)。

うでの長さがちがう — 支点からの距離が左右で異なる、いわゆるてこの問題です(小学6年・理科「てこのはたらき」)。「重さ × 支点からのきょり」がつりあいます。

設計上の注意:うでの長さがちがう天びんでは、「両辺から同じ重さを取る」がつりあいを保ちません。基本モードで教えている等式の性質と正面から矛盾するため、意図的に別モードへ分け、操作もわり算だけに限定しています。基本が定着してから扱ってください。

授業での使いどころ

  • 導入(5分) — 電子黒板に投影し、練習の1〜3問めを全体で解く。等式の性質を言葉で説明する前に、まず体験させる
  • 個別演習 — 1人1台端末で各自に進めさせる。ヒントが足場になるので、つまずいた生徒も手が止まりません
  • すきま時間 — タイムアタック5問なら約3分。授業の残り時間に差し込めます
  • 印刷 — ブラウザの印刷機能で、天びんの図と式だけが紙に出ます(ボタン類は印刷されません)

ご利用について

授業での投影、1人1台端末での演習、家庭学習、いずれも許諾は必要ありません。URLをそのまま児童・生徒や保護者に共有していただけます。

児童・生徒の氏名や成績などの情報を、このサイトが収集・送信することはありません。自己ベストの記録はブラウザの中だけに保存され、外部には出ません。

教材そのものを複製して別のサイト・アプリとして再配布すること、有料の教材に組み込んで販売することはご遠慮ください。